処方された薬を使っている場合に、良くなったからといって自分の判断でかってに薬を止めてはいけません。
調子が良くなったと感じられるのは薬が効いているからとも考えられます。
薬を急に止めたことによって、それまで抑えられていた症状がかえって悪化する場合があるのです。
これを「リバウンド現象」と言います。
医師は、症状が一時的に良くなっても急に薬の使用を中止するのではなく、段階的に量を減らしたり、弱い薬に替えることで、リバウンド現象を防いでいます。
必ず医師の指示に従いましょう。
(H28.6.2掲載)
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皆さま、お薬手帳は活用しておられますか?
今回、お薬手帳の重要性について、お話させていただきます。
平成28年4月の熊本地震で避難時に服薬履歴を書いた「お薬手帳」を持ち出すことの有効性が再確認されています。
手帳を見て病名や薬の種類が分かり、適切な処置につながった反面、手帳がないために、どの薬を出すか判断が難しいケースもありました。
ぜひ皆さまも、常日頃からお薬手帳をご持参下さいますよう、お願いいたします。
(H28.6.2掲載)
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今回は、今話題になりつつある水素結合水についてお話します。
水素結合水とは、水に水素がいっしょになった飲料水のことです。
水素は、酸素(空気)に触れると酸化されてしまい、還元力が衰えてしまいます。
したがって、水素は安定化が課題と言われており、なかなか商品化されていませんでしたが、最近では大学等の研究が進み、水素の含有量が減少しない容器を開発し、商品化されたようです。
体の水素を増やし、還元させることで、いろいろな病気に効果があるのではと言われ、大学の先生達は研究を進めているようです。
現代医学の進歩は、過剰な活性酸素が慢性疾患を引き起こしているとも言われています。
また、スポーツ選手でも過酷なトレーニングや極限状態の試合等で、肉体的疲労を抑えることに利用できると言われています。
インターネット等で価格を見てみると1本が300~500円位と、「水」と考えると高く感じますが、ミネラルウォーターや海洋深層水と比べるとかなり、還元力はあります。
ちなみに食べ物では、「さつまいも」、「とうもろこし」、「生レバー」が良いようです。
バナナやりんごを残してそのままにしていると色が変わってしまいますが、これは空気中の酸素により酸化された結果です。
食べたからといって体調が悪くなるわけではないでしょうが、ちょっと考えてしまいますね。
なるべく残さず食べましょう(^^)
そして、これからのますますの研究に期待しましょう。
(H22.7.4掲載)
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発達障害とは、言葉を話したり、話された言葉の意味を理解したり、物事を考えたりなど、脳のさまざまな部位の連動が必要となる複雑な脳の働きに問題があり、そのために生活上で本人、または周りの人が困ってしまう状況が生じるものです。
子供達は一人ひとりが違った個性を持ち、学ぶスピードや興味の対象もさまざまです。
この子は得意なことがあの子は苦手、あの子が大好きなことにはこの子は興味を持たない、といった違いがあるのは当然です。
しかしなかには、大部分の子供達には苦もなくできることが、その子にとってはとても難しく、そのために日常生活や学習の面で非常に困っている、という場合があります。
こうした子供達は、発達につまずきを抱えているのかもしれません。
知能の遅れを伴わない発達障害の代表的なものとして、学習障害、アスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥・多動性障害)などがあります。こうした障害を持つ子供達は、知能に遅れがないために、日常生活や学習の面で困難を抱えていても、障害とは気づかれにくく、必要なサポートを受けたほうが良いことに気がつかず、あるいはどうしたらよいのかわからず困っていることがあります。
また、育て方に問題があるとの誤解も受けやすく、保護者の方がつらい思いをすることも少なくありません。
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【症状について】
●学習障害
○「聞く」ことの問題
・話された言葉が単語レベル、文章レベルで理解できない(文字で示されると理解できる)
・複雑な文章の聞き取りができない
・単語の聞き誤りが多い
などの状態
○「話す」ことの問題
・道筋立てて話すことができない
・まとまった文章で話すことができない
・余分なことが混じった文章を話す
・同じ内容を違う言い回しで話せない
などの状態
○「読む」ことの問題
・文字や単語を発音できない、あるいは誤った発音をする
・文章の文字や単語を抜かして読む
などの状態
○「書く」ことの問題
・文字や単語が書けない、あるいは誤った文字を書く
・単語の中に誤った文字が混じる
・単純な文字しか書けない
・文法的な誤りの多い文章を書く
などの状態
○「計算する」ことの問題
・数値の位や繰り上がり・繰り下がりが理解できない
・九九を暗記しても計算に使えない
・縦の筆算でないと計算できない
・暗記ができない
などの状態
○「推論する」ことの問題
・算数の応用問題・証明問題・図形問題が苦手
・因果関係の理解・説明が苦手
・長文読解が苦手
・そこに直接示されていないことを推測するのが苦手
などの状態
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●アスペルガー症候群
○対人関係の形成が苦手
・他人と楽しみを共有しない
・友達付き合いが下手
・相手の感情や状況が読めない
・言ってはいけないことや言うべきではない場面のルールが理解できず、思ったことをストレートに言葉に出してしまう
などの状態
○コミュニケーション手段の理解・使用が苦手
・抽象的な言い方が理解できない
・言葉や会話の含みをくみ取ることが苦手
・話し方が独特(大人のような話方をする)
・人の話を聞かない
などの状態
○想像したり空想したりすることが苦手
・目の前にない物を考える、実際にない事柄を考えることが苦手
・概念や抽象的・象徴的な事柄の理解が苦手
・会話の中で省略された事柄や示されていない事柄を推測するのが苦手
などの状態
○姿勢のくずれ、多動や不器用
・猫背などの姿勢の崩れが多く見られる
・集中力がなく、一時もじっとしていられないなど多動の傾向がみられる
・スプーンや箸が上手に使えない
・ボタンかけが上手にならない
などの状態
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●ADHD(注意欠陥・多動性障害)
これについてはこのページの「7 AD/HD「注意欠陥/多動性障害」(H20.8.22掲載)」をご参照ください。
【相談できる機関】
○学校(学級担任、養護教員、学校医、教育センターなど)
○福祉(保健センター、発達障害者支援センター、児童相談所など)
○医療(かかりつけの小児科医、総合病院の小児科医、療育センターなど)
こうした機関は入り口となり、発達障害の専門家を紹介してくれます。
「学校」では、学校を中心とする連携(学級担任、校内委員会、専門家チーム、保護者の方、通級による指導、特別支援学級など)をとる事により、学習上の支援を必要としている子供を援助します。
「医療」「福祉」では、小児精神科、児童精神科そして地域の福祉センター等により、子供が家庭や学校について、生活しやすいように環境を整えるためのアドバイスを受けることができます。
これまでは発達障害というと、発達の「遅れ」というイメージが一般的でした。
しかし発達障害には、通常の子供にみられる行動ではあるけれど、その程度が通常範囲を超えている、というものや、通常の子供にみられない行動がみられる、というものもあります。
これらは生まれつきの脳の発達特性が関係しており、しつけや育て方が原因ではありません。
こうした子供達は、わざと問題を起こしているわけでも、本人の努力が足りないわけでもありません。
一人ひとりの発達特性を理解し、正しくサポートすることで、子供達は大きな問題なく社会生活を送れるようになります。
そのためにはまず、障害の存在に気づくことが大切です。
(H22.1.11掲載)
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足の動脈硬化である閉塞性動脈硬化症(ASO)は全身の動脈硬化症の一部分症と考えられています。
動脈硬化症の初期症状としてよくみられる「冷感」や「間歇性跛行」*は老化現象として放置されやすく、多くの患者さんに潜在していると考えられます。
そこで、今回そのような「足の動脈硬化」を見逃さない為のお話を致します。
*「間歇性跛行」とは、「歩行中に患部側の下肢に異常感覚と激痛・緊張感を覚え、歩きはじめると、歩行困難となるが、すこし休息すれば、痛みは止まり、歩行可能となる。 」ことを言います。
○糖尿病や生活習慣病の患者さんが増加している現代社会において、閉塞性動脈硬化症はごく身近な疾患になってきています。
ところが、心筋梗塞や脳梗塞などに比べて「足の動脈硬化」への関心は低く、全身の動脈硬化のサインであるにもかかわらず、その症状は見逃される傾向にあるようです。
○初期症状は
同じ「冷感」でも春は「暖かくなってきたのに足は冷たい」
夏は「足の冷えがつらいので冷房は苦手」
秋は「寒くなるにつれて足が冷たい」
冬は「足先が氷水につかっているように冷たい」
以前は歩けていた道が途中から足が痛くて歩けない
足の水虫が治りにくい
ちょっとした足の傷が治りにくい
足の色調変化がある
このような症状、あなたにはありませんか?
特に高齢者は「冷感」や「間歇性跛行」といった動脈硬化症の初期症状を「年のせい」と判断してしまい、診察時にそのことを訴えない傾向があります。
しかし、これらの症状は全身の閉塞性動脈硬化症のサインである可能性もあるため、まず動脈硬化症を疑い、積極的にお医者さんに伝えるようにしてください。
(H21.7.4掲載)
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12 医療用医薬品と市販薬(第一類医薬品)の相互作用
ドラックストア等の店で、自由に購入できる医薬品(一般用医薬品)には、病院で処方されてもらう医薬品(医療用医薬品)と、相互作用があり、一緒に服用するには注意が必要な場合があります。
今回、一般用医薬品の中でも、相互作用の発現の可能性が考えられる「第一類医薬品」と「医療医薬品」の相互作用について上げてみました。
[第一類医薬品の商品名]+[医療用医薬品の成分]=[どんな影響か]
という見方で示しました。
○[パニオンコーワ錠]+[ジピリダモール]=[パニオンコーワの血中濃度を上昇させ、心臓血管への作用増強]
○[アルガード抗アレルギーCap]+[向精神薬]=[相互に作用増強]
○[アルガード抗アレルギーCap]+[抗ヒスタミン剤]=[相互に作用増強]
○[アルガード抗アレルギーCap]+[アルコール]=[中枢神経系の副作用増強]
○[ザジテンAL鼻炎カプセル]+[中枢神経抑制剤]=[眠気や精神運動機能低下等]
○[ザジテンAL鼻炎カプセル]+[抗ヒスタミン剤]=[眠気や精神運動機能低下等]
○[ザジテンAL鼻炎カプセル]+[アルコール]=[眠気や精神運動機能低下等]
○[ストパン]+[三環系坑うつ剤]=[ストパンの作用増強]
○[ストパン]+[フェノチアジン系薬剤]=[ストパンの作用増強]
○[ストパン]+[抗ヒスタミン剤]=[ストパンの作用増]
○[ストパン]+[モノアミン酸化酵素阻害剤]=[抗コリン作用増強によるストパンの作用増強]
○[アシノンZ]+[ゲフィチニブ]=[ゲファチニブの血中濃度低下]
○[アシノンZ]+[合成抗菌剤]=[合成抗菌剤の血中濃度低下]
○[アシノンZ]+[プルリフロキサシン]=[プルリフロキサシンの血中濃度低下]
○[アシノンZ]+[硫酸アタザナビル]=[硫酸アタザナビルの血中濃度低下]
○[ガスター10]+[アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール)]=[アゾール系抗真菌薬の血中濃度低下]
○[ガストリック10]+[アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール)]=[アゾール系抗真菌薬の血中濃度低下]
○[アバロンZ]+[クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム)]=[凝血剤のプロトロンビン時間変動]
○[アバロンZ]+[トリアゾラム]=[トリアゾラムの吸収増大]
○[アバロンZ]+[アタザナビル]=[アタザナビルの吸収低下]
○[アバロンZ]+[デラビルジン]=[デラビルジンの吸収低下]
○[アバロンZ]+[ゲフィチニブ]=[ゲフィチニブの吸収低下]
○[アバロンZ]+[アゾール系抗真菌剤]=[アゾール系抗真菌剤の血中濃度低下]
○[アルサメック錠]+[肝薬物代謝酵素P450の活性低下で代謝、排泄が遅延する薬剤]=[アルサメックがP450を阻害し、薬剤の血中濃度を高める]
注:肝薬物代謝酵素P450で代謝、排泄が遅延する薬剤とは、主に次の薬剤です。
・クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)
・ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、トリアゾラム、ミダゾラム等)
・抗てんかん剤(フェニトイン、カルバマゼピン等)
・抗うつ剤(イミプラミン、パロキセチン等)
・β‐遮断剤(プロプラノロール、メトプロロール、ラベタロール等)
・カルシウム拮抗剤(ニフェジピン等)
・抗不整脈剤(リドカイン等)
・キサンチン系薬剤(テオフィリン、アミノフィリン等)
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○[アルサメック錠]+[プロカインアミド]=[腎クリアランス低下により、プロカインアミドの血中濃度を高める]
○[アルサメック錠]+[エリスロマイシン]=[エリスロマイシンの血中濃度を高める]
○[レディガードコーワ]+[胃腸鎮痛鎮痙薬]=[副交感神経抑制作用による副作用の発現]
○[レディガードコーワ]+[乗り物酔い薬]=[副交感神経抑制作用による副作用の発現]
○[レディガードコーワ]+[鼻炎用内服薬]=[副交感神経抑制作用による副作用の発現]
○[レディガードコーワ]+[かぜ薬]=[副交感神経抑制作用による副作用の発現]
○[レディガードコーワ]+[ロートエキス含有胃腸薬]=[副交感神経抑制作用による副作用の発現]
○[プリズマホルモン錠]+[抗凝血剤(ワルファリンカリウム等)]=[抗凝血作用増強]
○[活力‐M]+[抗凝血剤(ワルファリンカリウム等)]=[抗凝血作用増強]
○[アルタットA]+[アゾール系抗真菌剤]=[抗真菌剤の吸収低下による効果減弱]
○[アネトンせき止め顆粒]+[キサンチン系薬剤]=[過度の中枢神経刺激作用]
○[アネトンせき止め顆粒]+[中枢神経興奮薬]=[過度の中枢神経刺激作用]
○[アネトンせき止め顆粒]+[交感神経刺激剤]=[心・血管症状等の副作用増強と低カリウム血症]
○[アネトンせき止め顆粒]+[ハロタン]=[不整脈等の副作用増強]
○[アネトンせき止め顆粒]+[塩酸ケタミン]=[痙攣]
○[アネトンせき止め顆粒]+[シメチジン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[塩酸メキシレチン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[塩酸プロパフェノン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[塩酸アミオダロン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[エノキサシン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[ピペミド酸三水和物]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[塩酸シプロフロキサシン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[ノルフロキサシン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[トシル酸トスフロキサシン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[メシル酸パズフロキサシン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[プルリフロキサシン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[エリスロマイシン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[クラリスロマイシン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[ロキシスロマイシン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[チアベンダゾール]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[塩酸チクロピジン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[塩酸ベラパミル]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[酸ジルチアゼム]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[フルコナゾール]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[ジスルフィラム]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[マレイン酸フルボキサミン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[アシクロビル]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[塩酸バラシクロビル]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[インターフェロン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[イプリフラボン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[シクロスポリン]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[アロプリノール]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[ザフィルルカスト]=[アネトンせき止めの中毒症状の発現]
○[アネトンせき止め顆粒]+[ザフィルルカスト]=[ザフィルルカストの血中濃度低下]
○[アネトンせき止め顆粒]+[リファンピシン]=[アネトンせき止めの効果減弱]
○[アネトンせき止め顆粒]+[フェノバルビタール]=[アネトンせき止めの効果減弱]
○[アネトンせき止め顆粒]+[ランソプラゾール]=[アネトンせき止めの効果減弱]
○[アネトンせき止め顆粒]+[リトナビル]=[アネトンせき止めの効果減弱]
○[アネトンせき止め顆粒]+[フェニトイン]=[アネトンせき止めとフェニトインの効果減弱]
○[アネトンせき止め顆粒]+[カルバマゼピン]=[アネトンせき止めとカルバマゼピンの効果減弱]
○[アネトンせき止め顆粒]+[ジピリダモール]=[ジピリダモールの作用減弱]
○[アネトンせき止め顆粒]+[ラマトロバン]=[ラマトロバンの血中濃度上昇]
○[アネトンせき止め顆粒]+[リルゾール]=[リルゾールの作用増強(副作用発現)]
○[ミルコデ錠]=アネトンせき止め顆粒と全く同じ相互作用です。
○[マイトラベル]=アネトンせき止め顆粒と全く同じ相互作用です。
○[センパア内服液]=アネトンせき止め顆粒と全く同じ相互作用です。
○[こどもセンパア液]=アネトンせき止め顆粒と全く同じ相互作用です。
○[強力アスメトン]=アネトンせき止め顆粒と全く同じ相互作用です。
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注:アネトンせき止め顆粒、ミルコデ錠、マイトラベル、センパア内服液、子供センパア内服液には「テオフィリン」、強力アスメトンには「アミノフィリン」という薬の成分が含まれてる為、これらの医薬品は同じ相互作用があります。
そして、「テオフィリン」「アミノフィリン」の中毒症状には、消化器症状(悪心・嘔吐)や精神神経症状(頭痛、不眠、不安、興奮、痙攣、意識障害、せん妄等)や心・血管症状(頻脈、心室頻拍、心房細動、血圧低下等)その他低カリウム血症、呼吸促進、横門筋融解症等の重篤な症状があるので、特に注意が必要です。
○[ニコチネルパッチ]+[フェナセチン]=[フェナセチンの作用増強]
○[ニコチネルパッチ]+[カフェイン]=[カフェインの作用増強]
○[ニコチネルパッチ]+[テオフィリン]=[テオフィリンの作用増強]
○[ニコチネルパッチ]+[イミプラミン]=[イミプラミンの作用増強]
○[ニコチネルパッチ]+[ペンタゾシン]=[ペンタゾシンの作用増強]
○[ニコチネルパッチ]+[フロセミド]=[フロセミドの作用増強]
○[ニコチネルパッチ]+[プロプラノロール]=[プロプラノロールの作用増強]
○[ニコチネルパッチ]+[アドレナリン作動薬]=[アドレナリン作動薬の作用増強]
○[ニコチネルパッチ]+[アドレナリン遮断薬]=[アドレナリン遮断薬の作用減弱]
○[シガノンCQ]+[フェナセチン]=[フェナセチンの作用増強]
○[シガノンCQ]+[カフェイン]=[カフェインの作用増強]
○[シガノンCQ]+[テオフィリン]=[テオフィリンの作用増強]
○[シガノンCQ]+[イミプラミン]=[イミプラミンの作用増強]
○[シガノンCQ]+[ペンタゾシン]=[ペンタゾシンの作用増強]
○[シガノンCQ]+[フロセミド]=[フロセミドの作用増強]
○[シガノンCQ]+[プロプラノロール]=[プロプラノロールの作用増強]
○[シガノンCQ]+[アドレナリン作動薬]=[アドレナリン作動薬の作用増強]
○[シガノンCQ]+[アドレナリン遮断薬]=[アドレナリン遮断薬の作用減弱]
○[ニコレットパッチ]+[フェナセチン]=[フェナセチンの作用増強]
○[ニコレットパッチ]+[カフェイン]=[カフェインの作用増強]
○[ニコレットパッチ]+[テオフィリン]=[テオフィリンの作用増強]
○[ニコレットパッチ]+[イミプラミン]=[イミプラミンの作用増強]
○[ニコレットパッチ]+[ペンタゾシン]=[ペンタゾシンの作用増強]
○[ニコレットパッチ]+[フロセミド]=[フロセミドの作用増強]
○[ニコレットパッチ]+[プロプラノロール]=[プロプラノロールの作用増強]
○[ニコレットパッチ]+[アドレナリン作動薬]=[アドレナリン作動薬の作用増強]
○[ニコレットパッチ]+[アドレナリン遮断薬]=[アドレナリン遮断薬の作用減弱]
○[メディトリート]+[ワルファリン]=[ワルファリンの作用増強(出血傾向)]
このように、市販で簡単に購入できる医薬品でも、いろいろな相互作用があります。
今後、さらに医薬品販売について規制緩和が進めば、医療用医薬品が一般用医薬品として販売され、便利は良くなるかもしれませんが、人体に対する悪い影響、いわゆる副作用、相互作用はもっと注意が必要になります。
もし、ドラッグストアで購入して服用している薬があり、その間病院に受診する際、逆に病院に受診して服用している薬があり、自分で購入しようとする薬がある場合、必ず服用している薬を伝えることが大事です。
必ず、その場で薬剤師さんに相談しましょう。
(H21.5.6掲載)
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病院に受診して先生に言われた病名がよくわからない。
しかし、言い方を変えると「ああ、その病気のことか!」ってことないですか?
昔から使われている言葉と、医療で使われる正式名称が異なることがあります。
今回は、その例を上げてみましょう。
○汗疹(かんしん)=あせも
○紫斑(しはん)=あざ
○痂皮(かひ)=かさぶた
○凍瘡(とうそう)=しもやけ
○頭部白癬(とうぶはくせん)=しらくも
○褥創または褥瘡(じょくそう)=床ずれ
○伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)=とびひ
○伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)=みずいぼ
○足白癬(あしはくせん)=水虫
○膨疹(ぼうしん)=みみずばれ
などなど、数え上げればきりがないので代表的なものだけ上げてみました。
確かにみてみれば「なるほどっ!」って感じしませんか?
先生に言われたけど何の病気か良くわからないという方がいらっしゃいましたら、いつでもお問い合わせください。
(H21.4.23掲載)
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経腸栄養剤は、そのニーズの高まりと共に製品数も増加しています。
ここでは、食品か医薬品かの区分、そして肝不全用、腎不全用、呼吸不全用、糖尿病用の各病態に対応した配合組成の違い、特徴について紹介します。
●慢性肝不全~肝臓で代謝される芳香族アミノ酸(AAA)の増加、筋肉で代謝される分岐鎖アミノ酸(BCAA)の低下が生じる。
したがって、BCAAを補給し、過剰なAAAを制限した高エネルギー栄養剤が必要である。
1 アミノレバンEN(医薬品)
・肝性脳症を伴う慢性肝不全患者の栄養状態の改善
・AAAを制限し、BCAAを増量、Fischer比38.4
・粉末、用事水または微温湯で溶解
2 へパンED(医薬品)
・肝性脳症を伴う慢性肝不全患者の栄養状態の改善
・AAAを制限しBCAA、L-アルギニンを増量、Fischer比61
・粉末、用事水または微温湯で溶解
3 へパス・へパスⅡ(食品)
・AAAを制限しBCAA、アルギニンを増量
・Fischer比:へパス40、Ⅱ18
・オリゴ糖配合で肝不全時の血中アンモニア濃度を低下
・肝不全で不足するDHA、EPA、アラキドン酸配合
・Ⅱ:欠乏傾向の亜鉛、食物繊維を強化
●腎不全~窒素代謝産物の排泄・処理、水・電解質、酸塩基平衡の調節などの機能が障害されている。
したがって、腎不全用経腸栄養剤は基本的には低蛋白、低リン、低カリウム、低ナトリウムになるように調整されている。
1 レナウェルA・レナウェル3(食品)
・蛋白質を減量して脂質を増量
・A:超低蛋白、NPC/N比=1644
・3:低蛋白、NPC/N比=400
・高濃度
2 リーナレンLoGIC1.0・リーナレンLoGIC3.5(食品)
・蛋白質を減量して炭水化物を増量
・1.0:低蛋白質、低リン、低カリウム、低ナトリウム、NPC/N比=613
・3.5:標準的蛋白量、低カリウム、リンとナトリウムは標準より低量、NPC/N比=157
・糖質としてパラチノース使用(吸収遅延)
透析患者で欠乏するL-カルニチン配合(脂質代謝に関与)
●呼吸不全用~COPDでは肺が過膨張をきたし、胃が圧迫されて、少量の食事摂取で腹部膨満感を覚え、栄養摂取量が減少する。
また、換気効率の低下により呼吸筋への運動負荷が増し、エネルギー消費量が増大する。このため低栄養状態になり、体重が減少する。体重減少はCOPDの独立した予後決定因子なので、栄養管理が重要である。
呼吸不全では呼吸商が大事で、体内で栄養素をエネルギーに変換するときに、消費される酸素量と産生された二酸化炭素量の体積比のことをいう。
1 プルモケアEx(食品)
・糖質減量、脂質増量によりCO2排出を抑制
・抗酸化作用をもつビタミンC、E、β-カロチンを強化
・L-カルニチンを配合(脂質代謝に関与)
・吸収されやすいMCT(中鎖脂肪酸)配合
2 ライフロン-QL(食品)
・糖質減量、脂質増量によりCO2排出を抑制
・抗酸化作用をもつコエンザイムQ10を配合
・α-リノレン酸、DHA、EPA強化(動脈硬化抑制)
・オリゴ糖、食物繊維配合
3 オキシーパ(食品)
・重症向け
・消炎作用をもつEPA、GLA配合
糖質減量、脂質増量によりCO2排出を抑制
・抗酸化作用をもつビタミンC、E、β-カロチンを強化
・アルギニンを強化していない(一酸化窒素の過剰産生を促進しない)
●糖代謝異常用~通常の経腸栄養剤は経口食に比較して吸収が速やかで、血糖値の上昇もきたしやすい。そこで血糖値の上昇抑制を目的とした経腸栄養剤が開発されている。
1 インスロー(食品)
・糖質減量、一価不飽和脂肪酸を配合し血糖上昇を抑制
・エネルギー比率:脂質29.7%、糖質48.8%
・糖質としてパラチノース、キシリトール使用(吸収遅延)
・食物繊維配合
・シャンピニオンエキス配合
2 グルセルナEx(食品)
・糖質減量、一価不飽和脂肪酸を配合し血糖上昇を抑制
・エネルギー比率:脂質50.7%、糖質32.4%
・L-カルニチン配合(脂質代謝に関与)
・イノシトール配合(神経伝達に関与)
・食物繊維配合
3 タピオンα(食品)
・糖質減量、一価不飽和脂肪酸を配合し血糖上昇を抑制
・エネルギー比率:脂質40%、糖質44%
・糖質としてタピオカデキストリン使用(吸収遅延)
・L-カルニチン配合(脂質代謝に関与)
・食物繊維、オリゴ糖配合
4 グルコパル(食品)
・糖質減量、一価不飽和脂肪酸を配合し血糖上昇を抑制
・エネルギー比率:脂質30%、糖質50%
・糖質としてパラチノース、タピオカデキストリン使用(吸収遅延)
・アルギニン強化(インスリン感受性や創傷治癒に関与)
・食物繊維配合
このようにいろいろな栄養剤があり、病態別に選ぶことが必要になってきます。
どの栄養剤を使用するかの選択はその方の病態と状態により判断することになりますので主治医のお医者さんに相談することが必要です。
(H21.3.3掲載)
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インフルエンザ発症中に、タミフルを服用すると副作用により、「異常行動」が起きるのではないか?
と、いうことで問題になっていますが、現時点では、インフルエンザによる「異常行動」なのか、タミフルによる副作用なのかわかっていません。
引き続き、認識者により解明を進めている様です。
「異常行動などの精神・神経系症状とは?」
「普段と違うとっぴな行動をとる、うわごとを言ったり興奮したりする、意識がぼんやりする、意識がなくなる、幻覚が見える、妄想、けいれん等」の症状のことです。
タミフル発売(2001年2月)から2008年3月31日までに報告された副作用は2,078件だそうです。
副作用報告の推移を見ると、2006年度まではインフルエンザ患者数に相対する報告件数でしたが、2007年度はインフルエンザ患者数に大きな増加はないものの、報告件数は多くなりました。特に、精神障害の割合が2005年度から高まり、2007年度は前年比較で約4倍の副作用報告件数となっています。
○器官別大分類では、精神障害、神経系障害、胃腸障害、皮膚障害の順で多く報告されています。
○精神障害および神経系障害の年齢別比率では、10歳未満および10歳代の副作用報告が最も多く、それぞれ全体の36%および35%で、全体の71%を占めています。
○「異常行動」の年齢別および性別の内訳は、年齢別では10歳未満および10歳代がそれぞれ37%および48%で、全体の85%を占めています。
性別では、男性が72%、女性が27%と、男性のほうが多く発現がみられています。
○「異常行動」の発現時期は、全体の88%がインフルエンザ発症から2日以内です。
これらのことから、タミフルを販売している《中外製薬》では、
「現時点では、インフルエンザウイルス感染により重症化する危険性のある患者様を除き、原則として10歳代の患者様はタミフルを服用することはできません。」
としています。
また、タミフルを販売している《中外製薬》、リレンザを販売している《グラクソ・スミスクライン》では
「異常行動の事故を防ぐため、インフルエンザと診断されてから少なくとも2日間、保護者の方は、小児・未成年者を一人にさせないようにしてください。」
としています。
インフルエンザウイルスによるインフルエンザ脳症などでも同様の症状があらわれることがあります。
インフルエンザウイルス感染症と診断された治療を開始した後は、タミフル服用の有無に関わらず、異常な行動に十分注意してください。
(H21.1.20掲載)
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認知症は、日本におよそ190万人、85歳以上の4人に1人に割合で認知症のお年寄りがいるといわれています。
あれっ、ひょっとして・・、と思ったとしても「年だから仕方がない」「しばらく様子をみよう」と、つい放っておいてしまって、そのうちに症状が悪化してしまうケースも少なくありません。
【認知症とは】
「脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活がおくれなくなった状態」と定義されています。
【認知症の初期症状】
認知症の初期症状で最も多いのはもの忘れですが、それ以外の症状ではじまることもあります。
意欲、自発性の低下(やる気がおこらない、これまでやっていた事をしなくなった、ものぐさになった)やうつ症状、言葉の障害、注意力低下なども認知症の初期症状のことがあります。
【認知症の種類】
認知症の多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。
認知症は、脳が病的に障害されておこります。
その原因となる病気は、頭蓋内の病気によるもの、身体の病気によるものなどたくさんあります。
しかし、多くは「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」です。なかには、原因となる病気を適切に治療することで認知症症状が軽くなるものもあり、それらは認知症全体の約1割を占めているといわれています。
【薬物療法】
『認知症』の症状は大きく2つに分けられます。
記憶障害や判断力の障害など中心となる症状と、それに伴っておこる周辺症状です。
認知症の中心となる症状を根本的に治療する薬は今のところありません。
しかし、アルツハイマー型認知症の症状の進行を遅らせる薬があります。
この薬は病気を治す薬ではありませんが、認知症の症状の進行を遅らせることによって、ご家族と一緒に過ごす貴重な時間を長くすることが出来ます。
また、ご家族の方を悩ませているのは、おもに周辺症状だと思います。しかし、これらのうち幻覚や不安などの精神症状、徘徊などの周辺症状も向精神薬などの薬によって症状が改善、あるいは軽くすることができます。
【認知症を知るホームページ】
認知症チェックリスト、早期発見のポイント、認知症の基礎知識、原因となる病気、介護のお役立ち情報などがくわしく紹介されたページです。
https://theotol.soudan-e65.com/basic
認知症は病気であり、種類によっては治るものや早期に発見・対処することで症状の進み方を遅らせるものもあります。
「あれっ?」と思ったら、ためらわずに医師に相談しましょう。
(H20.12.20掲載)
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今回は、AD/HDについてお話します。
AD/HD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)は、日本では「注意欠陥/多動性障害」といわれています。
【主な症状】
1 不注意(忘れ物が多い、物事に集中できず、うっかりした間違いをしやすい)
2 多動性(落ち着きがなく、じっとしていることができない)
3 衝動性(思いついた行動を唐突に行い、順番待ちや我慢ができない)
といった症状が少なくとも2つ以上の状況(例えば学校と家庭など)でみられます。
これらの行動やふるまいは、程度の差はあるものの、だれにでも認められるものです。
しかし、年齢不相応にこのような行動が目立つ状態が長期間持続していて、そのことによって学校での生活や友人との関係などに問題が生じている場合に、AD/HDと診断されます。
【主な原因】
AD/HDは、脳の機能の発達・成熟のかたよりが生じた結果、症状があらわれると考えられていますが、それがなぜ起こるのかは、よくわかっていません。
・遺伝的な要因
・出産時のトラブル
・環境の要因
・神経伝達の異常
これらが複雑にからみあってAD/HDの症状があらわれると考えられています。
「親のしつけのまずさ」が原因でAD/HDになるなどといわれることがありますが、それは誤解です。
【二次的な問題】
AD/HDの患者さんは不注意、多動性、衝動性などの主な症状以外にも、付随する症状や問題を抱えることがあります。
AD/HDの主な症状だけでなく、付随する症状や問題に対しても適切な対処が行われないと、二次的な問題をひき起こす可能性もあります。
・怒りっぽくなり反抗的な態度や攻撃的な行動を起こすようになる
・学習に遅れがみられるようになる
・社会的スキルを身につけるのが苦手で友達とトラブルになる
・周りの人ができることを自分はできないと感じたり、叱られ続けるとこで日頃から劣等感を感じたりしていると、自尊心や自己評価(セルフ・エスティーム)が低くなる
・情緒面で不安になる
二次的な問題をひき起こさないためにも、早期に治療を開始し、AD/HDに付随する症状や問題にも注意を払いながら、本人や周りの人たちが適切な対応を学んでいくことが重要です。
【治療】
治療は、AD/HDの患者さんが自分の行動の特徴を理解し、状況に応じた適切な行動を取れるようになるための「心理社会的治療」と、注意集中力の改善や多動性、衝動性のコントロールを目的に行う「お薬による治療」を組み合わせて行います。
お薬は一時的にAD/HDの患者さんが自分自身をコントロールしやすくなるように手助けをしますが、最終的にはお薬の力を借りなくても、自分で行動をコントロールできるようになることが目的です。
1 心理社会的治療
環境調整
ペアレント・トレーニング
ソーシャルスキル・トレーニング
2 お薬による治療
コンサータ錠
その他
【家庭・学校・医療機関で密に連携をとる】
AD/HDの患者さんの経過を観察し、適切な治療を行っていくためには、家庭と学校と医療機関が連携をとる必要があります。
特に、AD/HDという疾患の特性上、学校での様子は非常に重要な情報となりますが、それを詳細に把握できるのは学校関係者です。
患者さんの学校での様子(問題点や改善点を含めて)を担任の教師などから定期的に聞くようにし、その情報を主治医に伝えるようにしましょう。
もちろん、家庭での様子を教師に伝えることも重要です。
【お薬で症状をコントロールしながら訓練】
AD/HDの患者さんは、落ちつきのなさや忘れっぽさを注意されたり、叱られたりすることの繰り返しで、悲しくなったり落ち込んだりしながら毎日を過ごしていたかもしれません。でも、AD/HDと診断されたのであれば、これまでの行動の原因がはっきりしました。
お薬で症状をコントロールしながら、問題行動を1つ1つ修正し、少しでも今までできなかったことをできるようにする訓練をしていきましょう。そして、お薬を飲まなくても同じように行動できるようになることを目指しましょう。
【AD/HDの患者さんのご家族へ】
・好ましい行動をしたら、きちんとほめてその行動を強化しましょう
・興奮状態に陥った時は、冷静に対応しましょう
・自分でできることを増やして生活習慣を身につけさせましょう
・優れた点を見出して患者さんの自尊心を養いましょう
じけ薬局ではAD/HDを治療するためのお薬「コンサータ錠」を取り扱えるよう登録認可を受けています。
AD/HDは、どこの病院でも診療してもらえるというわけではありません。
また、お薬もどこの調剤薬局でも調剤してもらえるわけではありませんので、ご注意ください。
(H20.8.22掲載)
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お笑い芸人の焼肉屋さんのお客さんからカンピロバクター菌が検出され、営業停止になったことは記憶に新しいと思います。
今回は、そのカンピロバクター食中毒ってどんなものかをお話しましょう。
カンピロバクター食中毒は、日本で最も発生件数が多い食中毒で、飲食店や家庭での発生が多発しています。
季節別の発生状況は春から初秋にかけて多く、散発下痢症の場合、特に5~6月と9~10月にピークが見られます。
冬季の発生件数は減少しますが、1年を通じて発生が見られます。
【症状】
食品を摂食後1~7日(平均3日)で、下痢、腹痛、発熱、頭痛、全身倦怠感などの症状が認められます。
ときに嘔吐や血便などもみられ、症状は他の細菌性食中毒と酷似しています。
下痢は1日4~12回にもおよび、便は水溶性、泥状で膿、粘液、血液が混ざることも少なくありません。
重症化することはまれですが入院治療を要することもあります。
また、合併症としてギラン・バレー症候群(GBS)を発症することがあると指摘されています。
ギラン・バレー症候群(GBS)は、四肢のしびれ、顔面麻痺、歩行困難等の急性運動麻痺をきたす抹消神経障害です。
【感染経路】
ウシ、ブタ、ニワトリ等の家畜などの消化管内に広く保菌されています。
人へは菌に汚染された食品や飲料水を介して感染する他、保菌動物との摂食によっても感染します。
なお、人から人への感染はまれです。
特に感染源として最も重要視されているのがニワトリで、他の家畜に比べ保菌率が非常に高いことが知られています。ニワトリは水平感染により短期間で伝播し、感染したニワトリが、鶏肉処理場に搬入されると容易に交差感染が起こります。
人へは、加熱不足の鶏肉を直接摂食の他、調理者の手指や調理器具を介した他の食品の二次感染により感染します。
【治療法】
カンピロバクター食中毒患者の多くは自然治癒し、予後も良好であるため、特別な治療を必要としませんが、別の基礎疾患のある患者様や重篤な症状を呈した場合は対症療法と共に適切な化学療法を行います。
感受性の高い抗菌剤を使用することで2日以内に除菌され、再排菌はありません。
抗菌剤を使用しない場合、排菌は平均2~3週間、ときには8週間以上も続くことがあります。
【予防法】
食品衛生の面から見ると、カンピロバクター食中毒の予防は、鶏肉の加熱処理による菌の死滅と、二次汚染防止が基本となります。
・鶏肉は60℃、1分程度加熱する。(肉の中心が白くなるくらい)
・鶏肉を扱った手指は、他のものに触る前に石鹸で必ず洗う(ポンプ式の液体石鹸で2度洗いが望ましい)。
・肉はなるべく専用のまな板を使って調理し、野菜などと共用しない。
・生の鶏肉に触れた調理器具(包丁やまな板など)は洗剤で洗った後、70℃以上のお湯を十分にかけ消毒し、消毒後はよく乾燥させる。布巾は70℃以上のお湯か塩素系漂白剤に1分以上浸ける。
・鶏肉は冷蔵庫内等ではふた付きの容器に入れて保存する。
・小児、高齢者等、抵抗力が低下している方は、生や生に近い状態の鶏肉料理を食べないようにする。
皆様も食中毒を起こさないように、くれぐれもお気を付けください。
(H20.8.14掲載)
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夏が来ました。今年もいっそう暑くなりそうなので今回は熱中症についてお話をします。みなさん気を付けてください。
熱中症とは、暑熱環境下で発生する熱性障害の総称です。
ヒトの体温調節は、視床下部の体温調節中枢により行われています。高温環境や運動負荷により体温が上昇すると、血液温度の上昇となって体温調節中枢を刺激し、視床下部や末梢神経の温熱受容体が活性化され、体温を下降させる働き、すなわち放熱が行われます。
しかし、この恒常性を維持する機能が高温環境に順応できなくなると、熱中症が発症します。
【熱中症の危険因子】
・気象条件:高温多湿、無風、日差しが強い
・環境条件:炎天下の屋外や車内、閉め切った換気の悪い部屋や浴室
・身体条件:高齢、暑さに不慣れ、睡眠不足、下痢、二日酔いなどによる体調不良
・着衣:汗の蒸発を妨げるような着衣
【熱中症の分類・症状】
Ⅰ度(軽度):こむら返り、立ちくらみ、四肢・腹筋の痙攣
Ⅱ度(中等度):強い疲労感、めまい、虚脱感、失神、頭重感、吐き気、嘔吐、下痢、体温上昇、皮膚蒼白、血圧低下、多量の発汗、頻脈
Ⅲ度(重症):深部体温39度(腋窩38度)以上の高熱と以下の3つのうちいずれか
1 脳機能障害
2 肝・腎機能障害
3 血液凝固障害
【熱中症の治療】
Ⅰ度の場合、多くは初期治療のみで対応可能ですが、Ⅱ度・Ⅲ度の場合には医療機関での治療が必要です。
初期治療とは
・風通しのよい涼しい場所に移動させる
・涼しい場所で脱衣させ、身体をあおぐ
・氷嚢で冷却する(首、腋下などの大血管走行部)
・水もしくはスポーツドリンクで水分補給
【熱中症の予防】
・室内が高温多湿にならないよう、換気、エアコン、扇風機を利用する
・カーテンやブラインドなどで直射日光を遮る
・外出時には、通気性が良い衣服を心がけ、帽子・日傘などを利用
・外出時や屋外での作業を行う時は、早朝や夕方の気温が高くない時間帯を選ぶ
・こまめに水分補給を行う。水分補給にはスポーツドリンクなどが適しており、アルコールやカフェインを多く含む飲料は利尿作用があるため、不適
・長時間高温下で過酷な労働を行う場合、熱中症による脱水症状の予防としてあらかじめ塩化ナトリウムを内服する
【環境省熱中症予防情報サイト】
環境省熱中症予防情報サイトでは、「今日明日の暑さ指数」や「熱中症患者速報」などを掲載しており、外出の際の参考にできます。
http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/spot/index.html
地域によっては毎日、猛暑が続いています。みなさん外出時には、特に気をつけましょう。
(H20.7.26掲載)
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いびきは、「上気道が何らかの原因で狭くなり、呼吸しづらくなることによって起きる症状」と言えますが、大きないびきは迷惑なだけでなく、本人の体にもかなりの負担となります。
重症になると、一時的に呼吸が止まってしまう、「無呼吸症候群」に至るケースもあります。
【いびきの原因】
・たるんだ口蓋垂や軟口蓋が、仰向けに寝たとき、上気道をふさぐ。
・舌根の重力による上気道への落ち込み。
等が挙げられ、特に緊張が取れた状態の睡眠時に起こりやすくなっています。
【いびきを悪化させる要素】
・肥満~太って首の周りについた脂肪が気道を狭くする。
・老化~筋肉が弱くなり、口蓋垂や軟口蓋がたるみやすくなる。
・寝る前の飲酒と睡眠薬の服用~筋肉が弱くなり、口蓋垂や軟口蓋がたるみやすくなる。
・過労
その他、口蓋扁桃の肥大、鼻アレルギーや蓄膿なども気道を狭くする原因となります。
【いびきの自己チェック】
・起きた時の口の乾燥、あるいは頭痛
・苦しさで目が覚めることがある(その時汗をかいている)。
・夜に2~3回、トイレに起きる事がある。
・赤ら顔(呼吸による酸素不足を補うため、赤血球が増えることにより起こる)
・体重が標準より20%以上越えている。小太りで、首が短く、顎が引き気味、丸顔。
以上のような方がいびきを起こしている可能性があります。
【治療】
・肥満が原因の場合、減量しましょう。
・肥満がなければ、横向きに寝るなどの日常生活の改善も有効です。
・よくならなければ病院へ受診をして下さい。受診科は耳鼻咽喉科、呼吸器内科などの受診をお勧めします。
いびきを治す事で、以前とは比べものにならないくらい、快適な生活が送れるようになり、病気にかかる率も下がるとのことです。
睡眠時無呼吸症候群の患者の9割以上に、いびきの症状が見られるようです。
たかがいびきと思わないでしっかりと治療しましょう。
(H20.6.25掲載)
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相変わらずの健康ブームのようですが、強壮食品で身近なものといえば、まず頭に浮かぶのは「ニンニク」ではないでしょうか?
ニンニクが効果を発揮する主成分は「アリシン」。あの強烈なにおいのもととなる揮発性の油性成分です。
アリシン自体はニンニクそのものには含まれておらず、刻んだりすることによって無味無臭の硫黄化合物「アリイン」と、別の細胞にある酵素「アリイナーゼ」が反応し、はじめて生成されます。
また、グルコース、フルクトースなど十数種類の糖や、ビタミンA、B1、B2、C、アデノシン、微量元素も多量に含まれています。これらの成分が相互に作用して、さまざまな効果が発揮されるようです。
ニンニクについてのお話は、たくさんのサイトで紹介されているようです。
そこで今回、このページでは他とは違い、構造式を使って、ニンニクの効果について触れてみました。
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(天然物化学 2002.5.15改訂第6版 南江堂)参照
アリナミンFになっちゃいました!
皆さん、わかりましたか?そうです!
「ニンニク」の作用の一部を活用したものが「アリナミンF」なのです。
「アリナミンF」といえば一般用医薬品としても販売されています。
また医療用医薬品としても医師より処方されることもあり、神経痛、筋肉痛、関節痛、末梢神経炎、末梢神経麻痺、心筋代謝障害、便秘等の胃腸運動機能障害、術後の腸管麻痺、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時等)などに効果があると言われています。
ニンニクには、その他いろいろな成分が含まれていますので、他にもさまざまな効果が発揮されるようです。
個人差はありますが、ニンニクをとりすぎると胸やけ、下痢、頭重などの症状が出る場合があります。
とり過ぎには注意しましょう。
また、ワーファリン(血液を固まりにくくする薬)というお薬を服用されている方は、出血傾向になることがあるので気を付けてください。
(H20.3.12掲載)
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花粉症の季節がやって来ます。
花粉症の症状は人それぞれ違いますし、時期も違います。
そこで今回、花粉の飛散時期についてお話しましょう。
花粉は、地域によって飛散時期は異なりますが、春から夏にかけて主に「木」の花粉、夏から秋にかけては主に「草」の花粉が飛びます。
2月から4月の期間は主に「スギ」。
3月から5月の期間は主に「ヒノキ」や「シラカンバ」、「ハンノキ」。
4月から6月の期間は主に「イネ」。
8月から10月の期間は主に「イネ」、「ヨモギ」、「ブタクサ」、「カナムグラ」。
等が代表的です。
花粉症がある方はスギ花粉の方が多いようです。
スギ花粉症はスギの木がほとんどみられない北海道・沖縄を除く本州・四国・九州の、特に戦後、スギを植林した地方に集中しています。
人によっては敏感に反応し、早い時期から花粉症の症状が出る方もいらっしゃいます。
雑草系の植物は毎年、雑種地や山など増えてきている気がします。
今まで花粉症ではなかった人でも、「今年、初めて花粉症になった」という方もいらっしゃいます。
特に初めての方は、花粉症なのか、かぜなのか、わからない方も結構いらっしゃるようで、時々質問を受けます。
症状の違いについて、「健康のQ&A」のQ2に掲載しています。参考にされてください。
いずれにしても早めに対処したほうが症状も軽く、早く改善します。「もしかして?」と思われる方は医師、薬剤師に相談をしてください。
(H20.2.22掲載)
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確定申告の季節です。
医療費控除についてお話をしましょう。
病院に受診した時の病院代と、その時にもらったお薬のお薬代は、医療費控除ができることを皆さんご存知と思います。
では、ドラッグストアなどでご購入されたお薬で、医療費控除が受けられるものがあることを知っていますか?
例えば、「かぜを引いて病院へ行きたいけど、忙しくて病院へ行けない。」あるいは「体調良くないけど病院へ行くほどでもない。」などで、自分でお薬を買ったご経験はありませんか?
病院へ行けば医療費控除が受けられるのに、買ったら受けられないのはちょっと不公平ですよね。
ましてや医療費が圧迫しているといわれているこの時代に、保険を使わず自分のお金でお薬を買っているのですから、逆に貢献しているではありませんか!
買ったお薬の商品を確認してみてください。
「医薬品」と記載されていれば、そのお薬代は医療費控除を受けられる対象となります。医療費控除を受けられるかもしれません。
ですから、そのお薬を買ったことが証明できるレシートを大切に保管してください。
そして1年間の病院代や購入したお薬代も合わせて、一定の金額を超えていれば控除を受けることができます。
一定の金額とは、地域によって異なりますので、その場所の税務署にお問い合わせください。
通常、10万円位を超えてからの金額が控除の対象となる様です。
(H20.2.10掲載)
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